【ドイツ→スイス】天気予報で予定変更!ドイツ→スイス夜行鉄道弾丸旅と鉄道チケット購入ガイド

  • URLをコピーしました!

前回の記事でお伝えした、ドイツ・ドレスデン(Dresden)でのWorld Transplant Games観戦記の続きです。実はこの旅、当初はスイスへ行く前にオランダとフランスを回る予定でした。ところが、ドイツ滞在中にある「決断」を下したことで、旅程はまったく違う形に変わることになります。

目次

天気予報が教えてくれた、旅程変更のタイミング

当初の計画は、ドイツでのWorld Transplant Games観戦後にオランダのアムステルダム(Amsterdam)へ飛び、ロッテルダム(Rotterdam)に住む友人に会い、そこからフランス・パリ(Paris)を経由してシャモニー(Chamonix)へ向かい、UTMB(Ultra-Trail du Mont-Blanc)のレースをこなした後にスイスを観光する、というものでした。

ところが、ドイツに滞在している最中に天気予報を確認したところ、シャモニーでのレース後にスイスへ向かうタイミングでは、天候が崩れそうだということが分かってきました。マッターホルン(Matterhorn)は晴れていてこそ価値がある山。曇り空や雨の下でせっかく訪れても、あの荘厳な三角形の頂は拝めません。

「このままの予定では、一番見たかった景色を逃してしまうかもしれない」。そう思った瞬間、私は迷わず予定を組み替える決断をしました。オランダとパリを訪れる計画を手放し、ドイツ滞在中のうちにフライトや宿の予約をキャンセルし、スイスを先に周ってからシャモニーへ向かうルートに切り替えたのです。旅の予定は「決めたら終わり」ではなく、常に天候や状況を見ながらアップデートしていくものだと、身をもって実感した瞬間でした。

なぜ「先にスイス」を選んだのか

シャモニーでのレースを控えている以上、本来であれば体力を温存してから本番に臨みたいところです。ですが、今回はあえてレース前にスイスの高地を訪れることを選びました。理由は大きく2つあります。

  • マッターホルンやユングフラウヨッホは標高が高く、なんちゃって高地順応を兼ねられること
  • 天候が良いタイミングを逃さず、絶景を確実に押さえておきたかったこと

トレイルランニングの大会に向けて旅程を組む方は多いと思いますが、「レース前に無理のない範囲で高地に触れておく」というのも、当日のパフォーマンスを左右する隠れたポイントです。もちろん本格的な高地トレーニングとは違いますが、標高3,000mを超える場所を数日前に歩いておくだけでも、体の感覚は変わってきます。

大会終了後、そのまま夜行でツェルマットへ

予定変更を決めてからの動きは早いものでした。World Transplant Gamesの夜の陸上競技が終わった直後、そのまま荷物を背負って駅へ向かい、20:19発のドレスデン・ミッテ(Dresden Mitte)発の列車に乗り込みました。

Dresden Mitteの駅にて
Dresden Mitteの駅にて

今回の道のりは、以下のように5本の列車を乗り継ぐルートでした。

  • ドレスデン・ミッテ → ライプツィヒ(Leipzig):RE50
  • ライプツィヒ → フランクフルト(Frankfurt):ICE699(乗車時間3時間以上)
  • フランクフルト → バーゼル(Basel):IC60403(乗車時間3時間以上)
  • バーゼル → フィスプ(Visp):EC61
  • フィスプ → ツェルマット(Zermatt):RE42

ツェルマット到着は翌朝9:50。出発から実に13時間半にわたる道のりでした。特にICE699とIC60403は、それぞれ3時間以上の乗車時間があったため、この2区間ではまとまった睡眠を取ることができ、体力的にはかなり助けられました。一方で乗り換え時間が短い区間もあり、ホームを間違えないよう乗換案内アプリと首っ引きで乗り継いだのも記憶に残っています。

夜通し電車に揺られる道のりは、正直なところ最初の区間はほとんど記憶にないほどうとうとしながらの移動でした。ですが、ツェルマットに近づくにつれて少しずつ空が白み始め、車窓の景色も山あいの緑豊かな風景へと変わっていきます。夜が明けていく様子を電車の中から眺めながら「ここからスイスの旅が本格的に始まるんだ」という高揚感を覚えたのを今でも覚えています。移動そのものが宿を兼ねられるというのは、荷物と時間を最小限に抑えたい弾丸旅にとって、非常に理にかなった選択でした。

深夜のフランクフルト駅で乗り換え
深夜のフランクフルト駅で乗り換え

DB Navigatorアプリでの区間チケット購入と、乗り継ぎのコツ

今回の移動で活躍したのが、ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)の公式アプリ「DB Navigator」です。今回は日程が土壇場で決まったこともあり、ドレスデン・ミッテからフィスプ(Visp)までの区間をDB Navigator上で1枚のチケットとしてまとめて購入し、そこから先のフィスプ→ツェルマット間は、運行会社が異なるためSBB(スイス連邦鉄道)のチケットを別途購入するという形を取りました。

DB Navigatorでは、複数回の乗り換えを含むルートでも検索から購入までを一つの画面で完結でき、チケットはスマートフォンの画面に表示されるQRコードを検札時に見せるだけ。窓口に並ぶ必要がなく、非常にスマートに移動できました。国境をまたいで運行会社が変わる区間では、チケットを分けて購入する必要があるという点は覚えておくと安心です。今回のようにドイツ国内(DB)からスイス国内(SBB)へ切り替わるタイミングでは、DB Navigatorで購入できるのはあくまでドイツ側の運行区間まで。スイス国内の末端区間は、SBBの公式アプリやウェブサイトから別途購入するのが確実です。

DB Navigatorアプリの画面はこんな感じ
DB Navigatorアプリの画面はこんな感じ
乗り換えの一例
乗り換えの一例

区間チケットとユーレイルパス、旅のスタイルに合わせた選び方

今回のように「日程が直前に決まり、行き先もほぼ一本道」という旅であれば、DB Navigatorのような区間ごとのチケット購入は非常に相性が良い方法でした。一方で、ヨーロッパを鉄道で周遊する旅行者にとってもう一つの定番の選択肢となるのが「ユーレイルパス(Eurail Pass)」です。せっかくなので、旅程を検討中の方に向けてこちらも紹介しておきます。

ユーレイルパスは、ヨーロッパ在住者以外の旅行者向けに販売されている周遊型の鉄道パスです。対象国内であれば、有効期間中は主要な鉄道路線に何度でも乗車できるのが最大の特徴。ヨーロッパ33カ国を対象とするグローバルパスと、特定の国だけをカバーする1カ国パス(ドイツならジャーマンレイルパスなど)があり、日程に合わせて4日〜3カ月の範囲で有効日数を選べます。パスは紙のチケットではなく、公式アプリ「Eurail Rail Planner」上でモバイルパスとして管理する仕組みで、事前にアクティベートしてルートを登録しておく必要があります。

ただし、ユーレイルパスを持っていれば全ての乗車が無料になるわけではない点には注意が必要です。ICEやECのような高速列車、夜行列車の一部区間では、パスとは別に座席予約料がかかることがあります。また、後編でご紹介するゴルナーグラート鉄道のような観光用の山岳鉄道は、ユーレイルパスの対象外であることも多く、現地で別途チケットを購入する必要があります。

どちらを選ぶべきかは、旅のスタイル次第です。

  • 区間チケット(DB Navigatorなど)が向いているケース:目的地・日程がほぼ固まっている、移動区間が少ない、片道メインの移動が中心
  • ユーレイルパスが向いているケース:複数国をまたいで周遊する、旅の途中で行き先を柔軟に変えたい、気になった街でふらっと途中下車を楽しみたい

私自身は今回、天気予報を見て土壇場でルートを決めたこともあり区間チケットを選びましたが、最初から複数国を周遊する計画を立てている方には、ユーレイルパスの方が結果的に手間もコストも抑えられるケースが多いというのが実感です。次回の記事でご紹介するベルンでの途中下車のような、気ままな寄り道を楽しみたい方には特におすすめです。

1等車だとガラガラでよく寝れます。
1等車だとガラガラでよく寝れます。

夜行移動を乗り切るための小さな備え

一晩で5本の列車を乗り継ぐ今回のような移動は、想像以上に体力を使います。座席で仮眠を取りながらの移動は、深く眠り込んで乗り過ごしてしまうリスクと常に隣り合わせ。実際、乗り継ぎの駅を寝過ごしそうになり、慌てて飛び起きたことも一度や二度ではありませんでした。

そこで頼りになったのが、旅の必需品として持ち歩いていたアイマスク、そしてモバイルバッテリーです。3時間を超える長距離区間ではまとまった睡眠が取れましたが、座席の姿勢のまま少しでも快適に眠れる工夫をしておくと、翌朝の体力の残り方がまったく違います。また、スマートフォンのアラームと乗換案内アプリを併用して、乗り継ぎ駅の手前で必ず通知が来るように設定していたことも、無事にツェルマットへたどり着けた大きな理由の一つでした。

朝6:30のBaselは少し肌寒かったです
朝6:30のBaselは少し肌寒かったです

まとめ:予定変更が生んだ、忘れられない道のり

天気予報ひとつで大きく組み替えた今回のスイス行き。振り返ってみると、「当初の予定に固執しないこと」が、結果的に一番美しいマッターホルンとの出会いにつながったのだと思います。次回の記事では、いよいよツェルマットに到着してからの1日半、ゴルナーグラート鉄道で見た絶景や、忘れられない夜景・朝焼けの様子をたっぷりお届けします。

深夜に電車を乗り継いで、Zermattに無事に到着
深夜に電車を乗り継いで、Zermattに無事に到着
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次