早朝、まだ日も昇りきらないうちに宿を出発。この日はいよいよ本格的にシャモニー(Chamonix)入りをする予定でしたが、想像以上のハプニング続きの一日になろうとは、このときはまだ知りませんでした。それでも最後には、標高3,800m超えの絶景と、ついにゼッケンを手にする瞬間が待っていました。
まさかの連続トラブル?バスが1時間以上遅延
日の出前の早朝の便を予約し、余裕を持って宿を出たつもりだったのですが、乗るはずだったFlixBus(フリックスバス)がまさかの1時間以上遅延。まだ暗闇の中、バスターミナルでひたすら待つことになりました。
待ち時間を救ってくれたのは、偶然居合わせたイタリア人の紳士との会話でした。お互いの目的地や、何をするかという夏休みの予定について、1時間ほどおしゃべりをして時間を潰したのは、今思えば旅ならではのいい思い出です。

ようやく乗車できたと思ったら、今度はスイス・フランス国境を越える際のパスポートチェックで、パスポートを持参していない乗客がいるとのことで、さらに時間がかかる事態に。結局、思い描いていたスケジュールよりもかなり遅れてシャモニーに到着することになりました。
- UTMBウィークはバスもすぐ満席になるため、早めの便を予約しておくのは必須
- ただしそれでも遅延は起こりうるので、間に予定を詰め込みすぎないスケジュールを組んでおくと安心です
標高3,842mへ ― エギーユ・デュ・ミディで一気に高地順応

シャモニーに到着してまず向かったのは、標高3,842mに位置する展望台エギーユ・デュ・ミディ(Aiguille du Midi)。街なかにあるChamLockersというコインロッカーのサービスに大きな荷物を預け、身軽になってロープウェイに乗り込みました。ちなみにロープウェイは事前にWeb予約が可能で、私は予約時間に遅れたのですが、係の人は快く「OK!」と言って乗せてくれました。朝だったのであまり混んでいなかったからかもしれませんが、いずれにしてもありがたい対応でした。

標高約1,035mの街から、ロープウェイを乗り継いでわずか20分ほどで一気に3,842mへ。あまりの標高差に、高山病になりかけている様子の人も周囲にちらほら見受けられました。幸い私自身は大きな体調不良もなく過ごせましたが、油断は禁物だと実感しました。
上部は雲がかかっていて非常に冷え込んでおり、モンブラン(Mont Blanc)の山頂も見えたり隠れたりを繰り返す状況。それでも、時折雲間から覗くその圧倒的な姿は、今でも忘れられない絶景でした。

- 真夏でも展望台付近は氷点下になることがあるため、ダウンジャケットや手袋は必携
- UTMB期間中はロープウェイが数時間待ちになることもあるため、事前予約がおすすめ

前日受付でいよいよ実感、ゼッケンを受け取る瞬間
観光を終えたら、いよいよUTMBの前日受付(ビブピックアップ)へ。さすが世界中のランナーが目指す大会だけあって、受付は驚くほどスムーズに進みました。1人ずつゼッケンを持った記念写真を撮ってもらえたり、エントリー内容の確認もあっという間に完了。

ただ一つだけ、みなさんにお伝えしておきたい注意点があります。それはTシャツのサイズについて。普段はMサイズを着ているのですが、そのまま頼んだところ、想像よりもかなり大きなサイズのものが届きました。いわゆる「ユーロサイズ」で、日本人の体格からすると一回り大きめにできているようです。
- 普段のサイズよりワンサイズ下で注文するのがおすすめ
- 心配な方は受付時にスタッフへサイズ感を相談してみるのも手です
ここで、街を歩いていると心を打たれる光景が。別部門で長い距離を走り終えて街に戻ってきたランナーたちが現れ、それを街のみんなが讃え、応援し、ハイタッチをしていました。かなりの距離を走り切ったであろう彼らが、最後のゴールに向かう姿は本当に感動的でした。まだ自分は走ってもいないのに、「ああ、これから自分もこの舞台を走るんだ」という実感がじわじわと湧いてきたのを、今でもはっきり覚えています。

静かな夜、ログハウスでレース前の英気を養う
前日受付を終えたあとは、再びエキスポを覗いて気になっていたアイテムを購入し、この日の宿へ。会場から少し離れたエリアに、Airbnbでオーナーさんのお庭にあるログハウスを予約していました。
こぢんまりとした造りながら、シャワーもトイレも完備。何より嬉しかったのは、お庭の椅子に座ってモンブランを望みながらコーヒーを飲む時間があったことです。レース前の緊張をふっとほどいてくれる、贅沢なひとときでした。

街なかにはスポーツ用品店やトレラン用品店も多く、UTMB期間中はセールや新商品も並んでいて、散策しているだけでも十分楽しめます。日焼け止めなどのレース用品もドラッグストアで手軽に揃うので、忘れ物があっても現地で調達しやすいのはありがたいポイントでした。

前日ということもあり、この日は早めに就寝。トラブル続きの一日でしたが、それも含めてすべてが良い思い出に変わっていくのを感じながら、いよいよ翌日に迫ったレース本番へと気持ちを高めていきました。