【UTMB2025】OCCレースレポート アルプスを駆け抜けた57km、感動の「アレ!アレ!」フィニッシュ

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ついに迎えたUTMB®︎(Ultra-Trail du Mont-Blanc/ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)ウィーク本番!今回は、私が参戦した「OCC(Orsières – Champex – Chamonix)」のレースレポートをお届けします。

スイスのオルシエール(Orsières)を出発し、フランスのシャモニー(Chamonix)を目指す約57km(累積標高約3,500m)の旅。国際色豊かなランナーたちとの交流、そしてシャモニーの夜に響き渡った涙が出るほど感動的な「アレ!アレ!」の声援。一生の思い出になった極上のトレイル体験を余すところなくお伝えします。

UTMBのフィニッシュゲートがモチベーションを上げてくれます。
UTMBのフィニッシュゲートがモチベーションを上げてくれます。
目次

スイス・オルシエールへ、大会シャトルバスでスタート地点入り

レース当日の朝、シャモニーから大会専用のシャトルバスに乗り込み、スタート地点であるオルシエールへ向かいます。現地で車を手配して向かうランナーもいたようですが、私と同じようにバスで移動する人も数多く、その規模だけでもこの大会の大きさを実感させられました。

会場に到着すると、駐車場は多くの選手でごった返しており、まずはトイレを済ませてからスタート会場へ。ここで少し戸惑ったのが、ゴール後に受け取る「ドロップバッグ(Drop Bag)」の預け方でした。会場周辺をウロウロしながら周りのランナーやスタッフに聞いて回ることに。初めてOCCに挑戦される方は、余裕を持って早めに会場入りして準備しておくことをおすすめします。

スタート会場には人がたくさん
スタート会場には人がたくさん

お祭りのようなエリートスタートと、温かい声援に包まれて

スタートはエリートランナーのウェーブから始まります。オルシエールの小さな街の広場に選手が一堂に会し、エリートたちが猛スピードで飛び出していくのを、他のランナーたちが見守る。緊張感とお祭りムードが入り混じったこの瞬間は、何度思い出しても鳥肌が立ちます。

ワクワクしてスタートを待ちます
ワクワクしてスタートを待ちます

私のウェーブはそこまで早くなかったので、いくつかのウェーブを見送ったあとで準備を整え、いよいよスタート。走り出してすぐ、幼稚園・保育園と思われる場所で小さな子どもたちが沿道に並んで応援してくれるゾーンがあり、思わず頬が緩みました。町を抜ける沿道では大人も子どもも温かく声援を送ってくれて、ハイタッチを交わしながら、ハッピーな気持ちでOCCの旅が幕を開けました。

焦らないペース戦略と、国際色豊かなランナーとの交流

OCCのコースは、アルプスならではの雄大な登りが待ち構えています。私はもともとポールを持たずに走るスタイルなので、勾配のきつい場所でも無理をせず、景色を楽しみながらゆっくり進むことを意識しました。振り返ってみると、OCCは走れる区間も多く、そこまで厳しい急登という印象はなかったように思います。日本でハセツネなどを走っていれば、問題なく楽しく進めるでしょう。

どこか気持ち良い感じがする上り
どこか気持ち良い感じがする上り

このペースで進んだからこそ、道中では本当にたくさんのランナーと交流できました。途中で出会った日本人の方と励まし合いながら進んだり、動画を撮りながら走っていたコロンビアの方や、日本で働いた経験があるという中国の方など、世界各国から集まったランナーたちと会話を交わす時間は何より楽しく、「人と話しながら進む」ことの大切さを改めて実感しました。町や村を通過するたびに地元の方々が温かい声援をかけてくださるのも、UTMBファイナルならではの魅力だと感じます。

上りも楽しめるのがUTMB
上りも楽しめるのがUTMB

極上のダウンヒルと、刻々と変わる空模様

最高地点を越えると、シャモニーに向かって長い下りが始まります。日本の急峻でテクニカルな山の下りとは違い、アルプスのトレイルは緩やかで雄大、そして走りながら気持ちよく下っていける「極上のダウンヒル」でした。

天候は前半こそ曇りで走りやすかったものの、夜になってぽつぽつと小雨が降り始めました。ゴールまでに雨が強くならないことを願いつつ進みました。

極上のダウンヒルが続く
極上のダウンヒルが続く

夜のシャモニーへ!涙と感動の「アレ!アレ!」フィニッシュ

日が落ちて暗くなり始めた頃、いよいよフィニッシュ地点のシャモニーへ帰還します。夜10時前後という時間でしたが、街の熱気は最高潮でした。

「Allez! Allez!(アレ!アレ!=行け!頑張れ!)」

シャモニーの街に入ると、沿道を埋め尽くす観客から割れんばかりの声援が降り注ぎます。バーやレストランで飲んでいた人たちまでもが手を止めて「アレ!アレ!」と声をかけ、ハイタッチをしてくれる。ゴール直前は、本当にみんなが手を差し伸べながらゴールまで導いてくれるような感覚で、涙が出そうになりました。実はこの光景、前日にシャモニーの町を歩いていたときにも目にしていて、「いつか自分もこうして迎えてもらえるんだ」と思っていたその光景が、今まさに自分ごととして目の前で起きている、そんな感慨深さもありました。この「アレ!アレ!」のシャワーを浴びるためだけにでも、UTMBに出る価値があると断言できます。

忘れられないUTMB OCCのフィニッシュ!
忘れられないUTMB OCCのフィニッシュ!

フィニッシュ後のリアル ― 雨、着替え、そして支えてくれた出会い

ゲート付近で写真を撮ってもらっていると、ちょうどそのタイミングで雨が本降りに。フィニッシャーベストを受け取っても、余韻に浸る間もなく雨に打たれながら着替えることになりました。しかも今回、宿はAirbnbで会場から少し遠い場所を取ってしまっていたため、そのまま雨の中を歩いて帰るという、なかなかハードな締めくくりに(笑)。次回参加するときは、この点はぜひ改善したいと思っています。

そんな中でも救われたのが、ゴール地点で居合わせた日本人の方が写真を撮ってくださったことです。レースも海外旅行も基本的に一人で行動することが多い私にとって、こうして手を差し伸べてくれる方々の存在は本当にありがたく、心に残る出会いでした。

宿に着いたのは夜11時過ぎ。洗濯機も乾燥機もない部屋だったため、着ていた服やザックを手洗いし、乾かすものはドライヤーで一つひとつ乾かすという地道な作業を深夜まで続け、翌朝早くにはもう次の目的地へ向けて出発することになります。

ゴール後すぐに雨足が強くなりました
ゴール後すぐに雨足が強くなりました

過酷なアルプスを共に走り抜いた愛用ギア&補給食

今回のOCCを無事に完走できたのは、信頼できる装備のサポートがあったからこそです。ここで、実際に私が使用した愛用ギアをご紹介します。

  • シューズ:ASICS Trabuco Max 悪路でもグリップに安心感があり、過酷な登りや長いダウンヒルでもしっかりと足を守ってくれました。
  • ザック:THE NORTH FACE TR Rocket 荷物量に合わせてザックの口を折ってバンジーコードで引き締められるため、走っている間も全く揺れません。長丁場のレースでも快適な相棒でした。
  • 補給ドリンク:パラチノース 水に溶かして適宜摂取。エネルギーが持続しやすく、厳しいアルプスのコースを最後まで走り切るための重要なエネルギー源になりました。

まとめ:ファイナルレースの特別さと、次なる目標

走り終えて改めて感じたのは、UTMBの「ファイナル」というレースが持つ特別さでした。応援の温かさもさることながら、走り終えたときの達成感は、これまで経験したどのレースとも違うものがありました。

今回参戦したOCCは全部門の中で最も距離の短い部門でしたが、次はぜひ「CCC(Courmayeur – Champex – Chamonix)」に挑戦してみたいと思っています。天候にも恵まれた状態で、もう一度あの雄大な山々を駆け抜けたい――そんな次の目標も、このレースを走り終えたからこそ生まれた気持ちです。

次回の記事では、UTMBの過酷なレース直後に向かった【オランダ観光編】をお届けします。超タフな私のリカバリー旅行記も、ぜひお楽しみに!

シャモニーを後に次の目的地へ
シャモニーを後に次の目的地へ
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